MODEL PLAN
敷地は、約40年前に開発分譲された住宅地の一画にあります。
既存の住宅と石垣を解体し、造成とアプローチの再編を行いながら、敷地の持つ高低差や周
辺環境をあらためて読み直すことから、この住まいの計画は始まりました。
この家では、家族が日常の中で最も長く過ごす「主室(リビング・ダイニング・キッチン)」
を住まいの中心に据えています。敷地は前面道路より約1.2m高く、その高低差を活かして、
道路側を平屋、奥を二階建てとし、主室と中庭を敷地の中央に配置しました。
中庭は、単に光や風を取り入れるための庭ではなく、主室と一体となった生活の場として計
画しています。室内と屋外を行き来する中で、植栽や光、風の気配が自然と感じられ、家族
が互いの存在を意識しすぎることなく、緩やかにつながる距離が生まれます。
また、断熱や開口、設備計画を総合的に整えることで、室内の温度が急激に変化しにくい、
穏やかな環境を目指しました。冷暖房には輻射の仕組みを用い、空気を強く動かさず、空間
全体を包み込むような心地よさをつくっています。
この住まいは、完成した瞬間が最も美しい家ではありません。
家族の暮らしが積み重なり、季節や時間の移ろいとともに、ゆっくりと馴染み、成熟してい
くことを大切にした住宅です。
木造2階建て
延べ床面積:128.71㎡(38.93坪) 離れ:4.14㎡(125坪) ガレージ:18.52㎡(5.60坪)
合計:151.37㎡(45.78 坪)
建築設計:藤原昌彦+バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
構造設計:株式会社エヌシーエヌ
造園設計:荻野寿也+荻野景観設計
施 工:株式会社フタバ
設計期間:2023年 11月~2025年 5月
施工期間:2024年 10月~2025年 9月
写 真:笹倉洋平/笹の倉舎